第10章 チャイニーズ・ローズ
確認しようと、スマホを手に持ち直したとき、ラインがきた。
”今から出てこい”
たった、それだけ。
それだけなのに…
涙が出るほど嬉しかった。
マンションの前に出ると、翔くんが車で待ってた。
俺の顔をみると、薄く笑った。
助手席のドアを開けて乗り込むと、ぐいっと引き寄せられて唇を貪られた。
「んっ…ふ…翔…」
「潤…」
甘い声で、俺を呼んだ…
それだけで、身体が溶けていきそうだった。
翔くんが車を走らせて、またあのマンションに辿り着いた。
今度は翔くんに付いていく。
エレベーターに乗り込んだ途端、引き寄せられて、また貪るようなキスをされた。
きっと防犯カメラに写ってるけど…
でもそんなの関係ない。
翔くんが俺を求めてる。
それがたまらなく嬉しい。
もっと応えたい。
もっと…
俺でいっぱい感じて欲しい…
玄関を開けて入ると、縺れるように部屋に入った。
ベッドの上に投げ出されると、自分から服を脱いだ。
翔くんも服を脱ぐと、すぐに俺にのしかかってきた。
「潤…かわいいよ…」
耳元で囁かれて、なにもされてないのにイってしまった。