第10章 チャイニーズ・ローズ
それからひと月。
また、翔くんからはなんの接触もなく時は過ぎた。
その間、彼女とケンカした。
”最近の潤はおかしい”
翔くんからいつ呼ばれてもいいよう、遊びにもいかなくなった。
ひたすら、家で膝を抱えて待ってた。
翔くんからの連絡を…
彼女が部屋に来て、いろいろ世話を焼いていってくれるけど、抱く気にもならなくて…
しばらく仕事が忙しいからと、会うこともなくなってた。
加湿器の音だけが、部屋を満たしてる。
コポコポという音を聞いているうちに、いつの間にか眠ってしまった。
スマホの振動で目が覚めた。
ニノからだった。
「もしもし…」
『ちょっと潤…どうなってんの…?』
「え?」
『また結婚報道出てるけど…』
「また…?いつものやつだろ?」
『違うよ…今回は彼女発信だよ?』
「え…?」
『彼女、インタビューでかなり際どいこと言ったらしい』
それから、何を言われたのかよくわからなくて…
だって、俺たちのこと、絶対に外じゃ言わないって言ったのに…
彼女だって今、大きな仕事してるから、そんなこと言わないって…
頭がグラグラする。