第10章 チャイニーズ・ローズ
「なんだよ…潤…」
のっそりと起き上がって、俺に覆いかぶさる。
翔くんの身体が…
興奮してるのがわかって、目を背ける。
「潤…言えよ…」
俺の顔の両側に手をついて、俺を見下ろす。
「言え…」
低い声…
「言わないと…もう抱かない…」
「い…いやっ…」
「潤…」
ちゅっとキスがまぶたに落ちる。
「翔くん…」
頬をさらさらと撫でる手が気持ちいい。
不意に翔くんの手が、俺のネックレスに掛かった。
「これ…綺麗だな…」
彼女からのプレゼントだった。
貰ってから、仕事以外ではずっと身に着けていた。
一度メンバーに誂われて、そっと隠すように着けるようになっていた。
いきなり翔くんの顔が歪んだかと思うと、力任せにネックレスを引きちぎられた。
「あっ…」
鋭い痛みが首に走る。
カツン…と遠くで音がした。
翔くんが投げ捨てたんだろう。
「潤…」
優しい、優しい声…
「言って…?」
柔らかい唇。
「翔くん…」
喉仏を優しく翔くんの唇が這って行く。
「翔くん…」
ぎゅっと剥き出しの肩を掴んだ。
「すき…」