第10章 チャイニーズ・ローズ
「恥ずかしいの…?潤…」
指でかき回されながら、囁かれて。
身体に火が点いたように熱くなって。
翔くんが起き上がって胸板に吸い付いた。
ぎりっと吸い上げて、キスマークをつけられる。
「あ…」
「誰にも見せるなよ…」
耳元で囁かれて、また視界が揺れた。
なんで…?
そのまま翔くんの唇が、胸の飾りを口に含んで…
そんなところ、感じたことないのに、気持よくて。
「あっ…あっ…」
背中を反らすと、また笑って口に含む。
その間も、翔くんの指は俺の中で蠢いて。
「やっ…あっ…翔くんっ…おかしくなるっ…」
「いいよ…見たい…おかしくなれよ…」
「やだっ…あっ…お願いっ…やめてっ…」
言ってしまいそうだった。
10年以上埋めていた想いを。
吐き出してしまいそうだった。
「翔くんっ…」
悲鳴みたいな声が出て…
翔くんが顔を上げた。
俺の顔をじっと見て。
そのまま動きが止まった。
「…言えよ…潤…」
「だめ…言えない…」
「言えよ!」
ぐいっと指を抉られて、身体が跳ねた。
「ああっ…もう…翔くんっ…」