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カラフルⅡ【気象系BL小説】

第10章 チャイニーズ・ローズ


「やっ…やだぁっ…」


翔くんの肩を押す。


びくともしない。


「やめて…」


翔くんの熱い息が、首筋にかかった。


ぎりっと噛まれて、思わず仰け反った。


冷たい手が、シャツの中に入ってきて、鳥肌が立つ。


「やだ…やめて…」


翔くんの香水の匂いで、頭がくらくらした。


こんなに間近で感じたことなんてない…


…あ


この匂い…


変わってない…10年前のあの時と…


いつもふざけて抱きついていた、翔くんの匂い…


いい…におい…


目を閉じると、あの頃が鮮明に蘇ってくる。


あの頃は、無邪気に…


翔くんを…





ぎりっと翔くんの服を握った。


「翔くっ…やめてっ…」


いきなり翔くんが起き上がったかと思うと、頬に衝撃が走った。


「大人しくしてろって…」


冷たい目で見下された。


「やだ…なんで…?なんでこんなことするの…?」


涙が伝い落ちてくる。


そっと翔くんの唇が、それを掬い取っていった。


ふっ…と唇が笑った。


「潤…欲しい…」


熱が身体の中で起こった。


訳の分からない衝動に突き動かされて、翔くんの身体を引き寄せた。

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