第10章 チャイニーズ・ローズ
そのままどこに行くのかと思っていたら、知らないマンションに連れていかれた。
「どこだよ…ここ…」
翔くんは無言で降りて行くと、助手席のドアを開けた。
「降りろ」
有無を言わさない響き。
それでも動けないでいると、腕を取られて強引に降ろされた。
「だからっ…何なんだよっ!」
「こい」
翔くんが振り返りもしないで歩いて行く。
俺の荷物も持って行ってしまったから、ついていくしかなかった。
「翔くん…ここ、どこだよ…」
「さあね…」
最上階のフロアにつくと、一つしかないドアの鍵を取り出した。
鍵を開けてドアを開くと、俺の顔を見た。
うっすら笑ってる…
また動けないでいると、腕を掴まれて、中に放り投げられた。
玄関にうずくまっていると、翔くんが後ろ手に鍵をかけた。
そのまま俺の上にのしかかってくる。
「ちょっ…待てよっ…何するんだよっ…」
「なにって…セックス」
「え…?」
「いいだろ…させろよ」
「ちょっ…待ってっ…」
もがいたけど、翔くんに殴られたお腹が痛くて、力が入らなかった。
「じっとしてないと…酷いことになるぞ…?」