第9章 きみどり scene4
脱衣所に入って、潤の用意してくれた洋服を受け取る。
「タオルはそこ、バスローブいる?」
「あ、いいよ」
「一緒にそこ入ってるから、使いたかったら使って」
「ありがと」
「じゃ、ごゆっくり」
潤が出て行くと、濡れた洋服を脱いだ。
「わ~…見事に濡れたね…」
パンツまでビショビショ…
すぐにバスルームに入ると、水栓をひねった。
身体を洗っていると、外で物音がする。
なんだろと思ったけど、声をかけられるわけでもなかったから、放っておいた。
身体を洗い終わって、バスルームから出る。
「えっ…」
智が床にうずくまっていた。
「どっ…どうしたのよ!?」
慌てて抱き起こしたら、身体が熱い。
潤んだ瞳で、俺を見上げてきた。
「智!?具合悪いの!?」
「かず…」
「どうしたの!?ねえ!」
ぎゅっと手を握って、俺の身体を離そうとする。
「ちょっと…!どうしたのよ!一体」
「なんでもない…ごめん…」
身体を離そうとする。
「智っ…なんでもないってことないでしょ!?」
「だからっ…だめだって!さわんな!」
「え…」