第9章 きみどり scene4
すっかり熱くなった頬をはたきながら、テーブルに戻った。
でも三人はくっついて離れない。
「ま、智くん飲んでよ」
翔さんがグラスを智に差し出す。
「ん…ありがと。翔ちゃん」
ぐいっとグラスに入ったワインを飲み干した。
「ニノも。どうぞ」
そう言って、翔さんがグラスを俺に差し出してきた。
「あっ…」
手前に置いてあった瓶に、翔さんの手が引っかかって、俺の服にロゼが零れた。
「ごめんっ!ニノっ…」
慌ててふきんで拭いてくれたけど、少し染みになって…
身体もロゼでベトベトになった。
「あ~…ごめん!すぐ洗うから、ニノ、シャワーしてきなよ」
「え…いいよ別に…」
「まあまあ、まだまだ今日は長いんだから…」
そういうと、にこっと笑った。
「ん…じゃあ、ちょっとお借りします」
そう言って立ち上がると、潤が一緒についてきてくれた。
「なんか洋服貸すよ」
「ありがと」
「…ね、ニノ…」
「ん?」
「さっきの歌、感動した」
「あ…ありがと…」
「ほんとに、リーダーのこと、好きなんだね…」
「お…おう…」
「なんか、ほんと、感動したよ…」
「ありがと…」