第9章 きみどり scene4
「もう。暫くえっち禁止ね」
俺は、痛む腰をさすりながら智に宣告した。
「ええっ!?なんで!?」
「なんでって、見てわからないのかよ!?」
俺の腰は引けて、へっぴり腰で歩いてる。
「痛いんだよ!毎日毎日しやがって!」
「だってぇ…かず…」
「ああ、そりゃ気持ちいいよ?あんたのこともすきだよ?だけどね、TPOを考えてくれよ!」
そう、今日はVSの収録なのだ…
なのにこんなへっぴり腰で、収録なんかできるかっ!
「もう…そういうの考えないのが、あんたの悪いとこなのよ…」
「おまえだってノリノリだったじゃねえか…」
「ばっ…ばかっ」
そりゃあね…すきな人に、あんな切ない顔で迫られたらさ…
それに…やっぱり…キモチイイし…
「もう。なんといってもだめなものはダメ」
「ええー…」
捨てられた子犬みたいな顔をする。
もう…この顔に弱いんだよ…
「智…」
そっと胸にもたれかかる。
「気持ちは変わらないからね…?」
見上げると、ごくりと唾を飲み込む音が聞こえた。
「ばっ…今、何考えたんだよ!?」
「だっ…だって!おまえがかわいいからいけないんだろ!?」
もー!知らないっ!