第8章 インディゴ scene1
眩しい…
カーテンの隙間から、朝日が差し込んでいた。
絡みあうように眠っている身体を解いて、ベッドを降りた。
昨夜の残滓を洗い流そうと、歩き出すと、か細い声が聞こえた。
「翔くん…?どこ…」
智くんの手が、俺を探して彷徨ってた。
「ここだよ…智くん…」
戻って手を握る。
「翔くん、居たぁ…」
ふにゃっと笑うと、雅紀の胸に顔を埋めた。
「ここにいて…?」
手を引かれて、ベッドに倒れ込んだ。
「俺のそばに居て…?」
「ん…わかった…」
ぎゅっと後ろから抱きしめる。
「今日は、誕生日だからね…」
まだ、集合時間まではある。
そのまま智くんの身体を抱いて幸せを噛み締めた。
「ねえ…翔…」
智くんがくるっと身体の向きを変えて、俺の唇に触れた。
「来月、雅紀の誕生日だね…」
「え…うん…」
「誕生日は、東京だね…」
「そうだね…」
「雅紀にも、誕生日プレゼントあげようよ?」
「え…?」
「俺、いいこと考えちゃった…」
智くんはいたずらっぽく笑うと、俺の鼻先にキスした。
「雅紀の誕生日に、翔くんの初めて、あげようね?」