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カラフルⅡ【気象系BL小説】

第8章 インディゴ scene1


「えっ…ちょっ…」


「しーっ…声が大きいよ」


「だって…」


「大丈夫…それまでに、俺が翔くんの後ろ、慣らしてあげる…」


「さ、智くんっ…」


するりと智くんの手が後ろに伸びてきた。


そっとそこを撫でると、むふっと微笑んだ。


「大丈夫。俺だってできたんだから」


「や…ちょっと、あ…」


「俺の初めて奪った人、誰?」


ぐいっと顔を近づけられた。


「お、おれ…」


「俺、いいよって言ってないよね?」


「言って…ない…」


「誰が悪いの?」


「ま。雅紀」


「あ、ずるい」


「ごめん、俺…」


「じゃあ、俺のいうこと聞くね?今日、まだ誕生日だし」


「誕生日は王様の日じゃないよっ」


「いいでしょ?翔くん…」


うるうる目で見上げられて…


しかも、誕生日に智くんの初めてを図らずも奪ってしまったのは俺で…


「わ…かったよ…」


負けた…


智くんはニッコリ笑うと、俺を抱きしめた。


「翔くん…好きだよ…」


「俺も…好きだよ…智くん…」


ぎゅっと抱きしめたら、智くんの後ろで横たわる雅紀と目があった。


にこっと笑った瞳は透明で。


「俺の誕生日の次は、翔ちゃんの誕生日だね…?」


なんだ、その悪魔みたいな微笑みは…!


つか、聞かれてたじゃんっ!


雅紀の声に気づいた智くんが振り返った。


「あ、そうだね!俺達の誕生日並んでるんだね…」


おいっ聞かれてたことスルーかよっ!


「だから、誕生日プレゼント、考えないとね…?」


「うん…わかった…」


ふたりがゆっくりと俺を見た。


「え、遠慮します…」


「まあまあ、そう言わず」








ふたつのデビルスマイルが炸裂した。









【END】

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