第8章 インディゴ scene1
智くんが雅紀に手を引かれてバスルームへ行くと、俺は部屋を片付けた。
「よし、こんなもんだろ…」
心臓が痛い。
これから起こることに、胸が破裂しそうだった。
でも…
俺達が恋人になって、最初の誕生日。
どんな形でも、精一杯祝いたかった。
大好きだよって…
全力で伝えたかった。
だから…
「翔!おいで!」
智くんの声が聞こえる。
呼び捨てにされて、また胸がきゅっとした。
「は、はーい!」
返事をすると、バスルームへ向かった。
3人でお風呂に入るのはまだ恥ずかしいけど…
でも今日は智くんのためだから、思い切って服を脱いだ。
浴室に入ると、すでに雅紀と智くんは洗い終わってて。
「今日のお礼に、翔の身体洗ってあげるよ…」
智くんがふんわりと俺を後ろから抱きしめて。
首筋に舌を這わせて、胸の飾りを弄んだ。
「あ…ダメ…」
なんとか手をどけると、雅紀が笑って智くんを止めた。
「ほら…翔ちゃんの身体洗うんでしょ?」
俺のほうを向くと、ウインクした。
智くんの手にボディソープを垂らすと、なんだか妖しい手つきで俺の身体を洗い始めた。
ダメだって…そこ、弱いって…
ひゃって声が出て、二人に笑われた。