第8章 インディゴ scene1
「俺も…翔くんのものになったよ?」
髪を撫でながら、優しく微笑む智くんを見上げた。
「だから…おいで…翔くん…」
一気に噴き出した思いを、どう伝えていいか…
涙が次から次へと溢れて、言葉にならなかった。
俺も、好き…
二人が、好き…
「言って…翔ちゃん」
雅紀が手の甲にキスを落とした。
「聞かせて」
指の股をぺろりと舐めて、笑った。
「す…すき…」
「ん?」
「お、れも…すき…」
しゃっくりあげて、上手くしゃべれない。
「おれ、もっ、すきっ…」
「翔くん…」
智くんがぐいっと俺を起こして、抱きしめた。
雅紀も腕を引き寄せて、智くんごと俺を抱きしめた。
「やっと…翔ちゃん…」
そういうと、雅紀まで泣いて。
「うれしぃ…」
泣き笑いしながら俺たちを抱きしめた。
「雅紀…お前まで泣いてどうすんだよ…」
智くんの落ち着いた声を聞きながら、安心して泣いた。
泣き止むと、智くんはタオルで俺の顔を拭いてくれて。
「目、冷やそうか」
そう言って、俺を寝かせてくれた。
雅紀も隣で寝転がって、泣きはらした目をこすっていた。