第8章 インディゴ scene1
「…優しく…しないでよ…」
「え…?」
「二人…付き合ってるんでしょ…?」
「え…雅紀、言ったの…?」
「うん…だって、本当のことだし…」
「だっ…だからっ…なんで俺に…優しくするんだよっ…放っといてくれよっ…!」
布団を頭まで被って潜り込んだ。
すぐにぐいっと剥がされて、智くんに顔を掴まれた。
「聞いて、翔くん…」
「いやっ…聞きたくないっ…なんで俺にあんなことしたんだよっ…ふたりとも、わけわかんないよっ…」
智くんの手を振り払うと、今度は雅紀に手を掴まれた。
「翔ちゃん…聞いてよ…」
「いやっ…」
顔を背けた。
「翔くん、好きだよ」
ぐいっと智くんの方に顔を向けさせられた。
「好きだ」
智くんの顔が近づいてくる。
ちゅっと音を立てて、智くんの唇が離れていった。
「え…?」
呆然としていると、今度は雅紀の顔が近づいてきて。
頬にちゅっと音を立てて、キスしていった。
「翔ちゃん…すき」
潤んだ目を瞬いた。
「真剣だよ…?この前だって、本気で抱きたいと思ったんだ…」
「え…だって…」