第1章 しあわせはここにある-parallel-
かずの目が光った。
「だ、だめだって…」
「なんで…?俺じゃだめなの…?」
「何言って…」
「翔さんならいいの?」
「え?」
「相葉さんなら…潤ならいいの?」
「違うって…かず…」
「じゃあ、俺に…俺、あなたを抱きたい…」
そっと抱きしめられた。
俺は汚い。
きれいなかずに抱かれるわけには行かない。
「智…愛してる…」
ぎゅっと腕に力を込められた。
俺はそれを引き剥がそうとした。
「だめ…だめだよ…和也」
「なんで…欲しいよ…智…」
「だめっ…俺なんかっ…」
「俺なんか…?」
その先を言えない。
かずは俺をきれいだと言ってくれた。
それだけで嬉しかったから。
「かずに…似合わないよ…」
「智は…俺のこと嫌い?」
「嫌い…?違う…嫌いじゃない」
「じゃあ。俺のこと好き?」
「好き…」
思わず言ってしまった。
俺はかずの腕から逃げ出した。
「ごめんっ…今の聞かなかったことにしてっ…」
「なんでっ…」
かずはまた俺を捕まえた。
「嬉しいよ…智…」
「だめ…だよ…かず…」
俺のために、一生懸命考えてくれるかず。
俺を癒やそうとしてくれるかず。
殴ってくれたかず。
怒ってくれたかず。
全部のかずが俺の中に蘇ってくる。
いつの間にか好きになってた。
大事になってた。
だから…こそ…