第1章 しあわせはここにある-parallel-
そう言ったのに、かずの口は俺を舐めて。
手が俺を激しく扱いて。
あっという間に俺は逃げる隙もなく、かずの口の中に放った。
「ば…か…」
そう言ったけど、俺を口のなかに仕舞った和は笑ってて。
ごくんとそれを飲み込んだ。
「あっ…ばかっ…」
慌てて起き上がって口を開けさせたけど、もう遅くて。
「かず…もう…」
そう言って頭を引き寄せて抱きしめた。
「俺…智のためなら、なんでもできるよ…」
そう言ってにっこり笑った。
「ほんとに初めてなの…?」
「うん…だって…男同士じゃん?なんとなく、わかる」
「そっか…」
勘がいいんだった…こいつ…
ぎゅっとかずを抱きしめた。
「もう、よくわかったからさ…これでいいよ…ありがと…」
俺は事実、満たされていた。
かずの気持ちが嬉しかった。
でも、まだ自分は汚れているから、かずの初めての相手にはなれないと思った。
そのままベッドから立ち上がろうとした。
後ろからぐいっと引っ張られた。
また俺はベッドに寝転がってしまった。
「な…に…?」
「だめだよ…俺はあなたを抱くんだから」