第8章 インディゴ scene1
次の日の収録に、二人で行った。
別に隠すようなことじゃないんだけど、なんだか照れくさいし、雅紀のこと考えたら…
「ねえ、智くん。楽屋別々に入ろうよ」
「え?なんで?」
「あ、いや…別に…」
「どうして一緒に入っちゃだめなの?」
どうしてって…だって…昨日、俺と智くん、キスしちゃったんだよ…?
その透明な瞳は、後ろめたいことなどないと言っているようで。
思わず目を逸らした。
「い、いいから…先に行ってよ…」
「いいよ」
そういうと、智くんは俺の手を握った。
「行くよ」
ぐいっと引っ張られて、思わずついていく。
「さ、智くんっ…」
ガチャっと楽屋のドアを開けて智くんがずんずん入っていく。
「おはよー」
よりによって、雅紀が先に来てた。
こんな日に限って…!
俺達が手を繋いでるのをみて、雅紀はびっくりした顔をした。
それから智くんの顔をみて、微笑んだ。
「え…?」
「おはよ。雅紀」
智くんが俺の手を引きながら、雅紀の隣に座った。
必然的に、俺は智くんと雅紀に挟まれる形になった。
「おはよ。翔ちゃん」
雅紀が俺の顔を覗き込んで、極上の笑顔を見せた。
…ナニコレ…