第8章 インディゴ scene1
そのまま寝てしまったらしくて。
目が覚めたら、バスタオルを巻いただけの智くんが目の前にいて、驚いて逃げてしまった。
お風呂からあがると、智くんはソファで用意したスエットを着てくれてて。
うたた寝してたから、そっと抱きかかえてベッドに運んだ。
そのまま智くんの横で寝転がったけど、目が冴えてしまって…
明日は一日お台場で収録だっていうのに…
すぅすぅと規則正しい寝息を立てる横顔をずっと眺めてた。
拗ねてるように尖った唇に、人差し指を這わせる。
本当に、この唇…
さっき…キスしちゃったんだ…
今は、とてもじゃないけど…
指でしかサワレナイ
不意に智くんが目を覚ました。
唇に触れる指に気づくと、にこっと笑った。
そのまま俺の指を口に含んで、指をきゅっと吸った。
ただ、それだけなのに。
俺の身体は火がついたように熱くなって。
これ以上何をするかわからなかったから、さっと口から指を出して、背中を向けた。
「翔くん…?」
智くんの声が聞こえたけど、聞こえないふりをした。
暫くしたら、そっと後ろから智くんが俺を抱きしめて。
「おやすみ…翔くん…」
そう囁くから、一生懸命寝た。