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カラフルⅡ【気象系BL小説】

第8章 インディゴ scene1


「え…?いいけど…」


思わずその手を握りしめた。


ふっと笑うと、智くんは俺の手を引いて歩き始めた。


「明日、収録だから泊まってもいい?」


テレビ局は俺の家のほうが近くて。


でも別に智くんの家も帰れない距離じゃないのに…


「別に…いいけど…」


「ありがと。翔くん」


にっこり笑いかけられた。


きゅっと心臓が締まった。


そのまま、まともに顔を見ることがまたできなくなって。


だからエレベーターの中で、手を繋いでることに気づかなくて。


降りる瞬間気づいて、焦った。


「さっ…智くんっ…手っ…」


「え?ずっと繋いでるじゃん?どうしたの」


って、なんでアンタ!


「いやっ…別に…いいけど…」


やべ…今、俺、真っ赤だ…きっと…


そのまま結局、部屋まで手を繋いで。


鍵を開けるとき、やっと手は離された。


なんか、ちょっと淋しい。


部屋に入ると、真っ先に風呂場に行ってお湯を落とした。


智くんが洗面所で、俺を眺めながら笑ってる。


「なに?」


「翔ちゃんせっかち」


だって…智くんに早く休んで欲しくて…


焦りすぎたかな…


そんなに俺、ヘン…?

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