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カラフルⅡ【気象系BL小説】

第8章 インディゴ scene1


うっとりとしてると、不意に唇になにか触れていった。


…何…?


うっすらと目をあけてみたら、智くんの顔が目の前にあった。


一瞬、思考が全て止まった。


…はい?…


キス…してる…?


そっと唇が離れていった。


あわてて目を閉じた。


フッと智くんが笑う気配がした。


そのまま、智くんは俺の傍を離れて、台所へ行った。


心臓、うるさい。


…なに…?今の…


なんで…?


なんでキスしたの…?


ぎゅっと毛布を掴んだ。


身体の中から、何か溢れてきそうで。


代わりに涙が零れた。


なんで…?


雅紀と付き合ってるんじゃないの?


なんで俺にキスなんかしたの?


台所の物音が途絶えた。


ずっと、静かな部屋に耐え切れなくなってそっと台所を覗いた。


そこには、キスをして絡みあう二人が居た。


…訳が、わからない。




その後、料理ができて。


二人は俺を起こして、一緒に食べたんだけど…


どちらの顔もまともに見ることができなかった。


酒は誰も飲まなかった。


夜中に雅紀と智くんは帰っていった。


最後まで、俺の体調を気遣って…


二人が帰った後の玄関に、俺は座り込んでしまった。


状況が理解できずにいた。

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