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カラフルⅡ【気象系BL小説】

第8章 インディゴ scene1


暫く、雅紀の立てる物音を聞いていた。


毛布にくるまりながら、なんだか寂しさでいっぱいになってきて…


俺があんなことしても…


雅紀はきっとなんにも思ってないんだろうな


俺、なんか知らないけど心臓バクバクだったのに…


あのまま…キスしたいって思ったのに…


でも。


雅紀には智くんがいて…


俺、やっぱり邪魔なんじゃないかな…


ぎゅっとソファの上で丸まった。


目を瞑っていたら、智くんが帰ってくる音が聞こえた。


ビニール袋の音をさせながら、リビングに入ってきた。


「ただいまー。あれ。翔くん…」


そう言いながら台所へ入っていった。


雅紀となにか喋って、すぐに智くんが戻ってくる気配がした。


「翔くん、寝ちゃった…?」


俺の横になるソファの前で、床に座った。


寝たふりをしてしまった。


寂しい気持ちを悟られそうだったから。


「翔…くん…?」


遠慮がちに呼びかけると、前髪になにか触れた。


智くんの手だ。


さらさらと俺の前髪を梳いてる。


暫くそうしてくれて、なんだか気持ちが良かった。


日向でご主人になでなでされてる犬の気分…


…って、犬って…


…いいや…


気持ちいいから…


そのまま、ずっと智くんは俺の髪をなでてくれてた。


なんか、寂しさを忘れて…


夢見心地ってやつ。
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