第8章 インディゴ scene1
智くんの腕に抱かれながら、楽屋の隅に連れてかれて。
なんか恥ずかしかったんだけど、3人で着替えた。
「ねえ、今日、翔ちゃんち行ってもいい?」
雅紀がさっきの空気を振り払うように、元気よく聞いてきた。
「あ、俺もいきたいな」
珍しく智くんも乗ってきた。
なんか、こんな空気のまま二人と別れるのがいやで。
「おう。いいぞ、飲もうか」
思わず答えていた。
二人は大喜びして、急いで着替えた。
途中で、松潤とニノが楽屋に帰ってきて、俺達が家呑みするのを聞いて残念がった。
二人はまだこの後、撮りが残っていたのだ。
「悪いね。お先に」
そう言うと、シュンとしたまま二人は手を振った。
今日は雅紀が、自分の車で来ていると言うから、遠慮なく載せてもらった。
助手席に智くんが乗り込んで、俺は後部座席に乗り込んだ。
「じゃあ、しゅっぱ~つ!」
雅紀が明るく言ってくれるから、なんだか安心した。
智くんも雅紀の横顔をみて、微笑んでる。
ホッとしたら、眠くなって。
首都高に乗る頃には、もう座席に沈んでた。
雅紀の車のシート、めっちゃ寝心地がいい…
ふわふわ、さっきのことも忘れて眠りについた。