第8章 インディゴ scene1
「翔くん、顔が赤い」
「えっ?」
「ほんとだ…大丈夫?」
二人の拳が付いているところが熱くなってきた。
みるみる顔が火照ってくるのがわかる。
「どうしたの?苦しいの?」
智くんが雅紀の腕を解くと、俺に顔を近づけてきた。
「翔ちゃん?どうしたの…?」
雅紀も顔を近づけてきた。
まるで、キスでもしそうな距離に二人の顔がある。
…俺、今何考えた!?
「なっ…なんでもないからっ…」
身体を翻して、とにかくその場を離れようと思った。
思ったのに、いつのまにか解けていた靴紐を踏んで、派手にその場に転がってしまった。
「翔くんっ…!」
智くんと雅紀が駆け寄ってくる。
「大丈夫!?どっか打った!?」
雅紀の細腕が俺を抱き上げて。
身体の至る所を触られた。
「ここは?痛くない?大丈夫?」
雅紀の手が身体を這いまわる。
智くんも一緒になって点検してる。
「あふっ…」
雅紀が内ももを触った瞬間、ヘンな声が出た。
「えっ…」
雅紀が固まって、俺を見上げた。
智くんはふふっと笑った。
「感じやすいんだね。翔くん」
穴があったら入りたかった…