第7章 虫襖-ムシアオ-
潤は俺の家に入り浸るようになった。
時には雅紀とのプレイも望んだけど、それは絶対にさせなかった。
雅紀は潤のことは知らない。
翔さんのとき、あれだけ取り乱した雅紀だから、潤とこんな風に関係がこじれてることを知ったら、どうなるかわからなかった。
つかの間の逢瀬。
雅紀と絡みあうと、心が満たされた。
身体が離れるとすぐに欲しくなった。
でも、それは叶わなくて。
思いは募っていく。
「ニノ…?大丈夫?」
「うん…このまま抱いてて…」
ぎゅうっと俺を抱きしめる。
「何かあったの…?」
「ないよ…雅紀…」
「ねえ…なんでも言って?俺にできることならやるから…」
「…充分だよ…ありがと…」
「俺といても、幸せじゃない?」
「違う…そんなことない」
「だって…ニノちっとも笑わない…」
「雅紀のせいじゃないんだ…全部俺が悪いんだ…」
「ニノ…言ってよ…」
答えられなくて…
眠ったふりをした。
ごめん…
今は、どうしていいかわからない…
雅紀…
どうしたらお前を守れるかな…
どうしたら、俺達二人幸せになれるかな…
とっくに期限は切れていた。