第7章 虫襖-ムシアオ-
「潤っ…やめてっ…」
「ふざけんな…そんなことで、俺は引かないよ?」
散々殴ったのに、急に俺を優しく抱きしめた。
「好きだよ…」
人が変わったみたいに、ふんわりと優しくキスをする。
「やめて…潤…」
「お前がやめるなら、雅紀犯すぞ?」
低い声。ギクリとした。
俺はめちゃくちゃになってもいい。
だけど、雅紀だけは…
「だ、だめ…それだけはやめて…」
「そんなに大事なら、わかってるよな…?」
冷たく笑う。
ムスクの香りが息苦しい。
「…わかった…」
潤は満足そうに微笑むと、俺の服を丁寧に脱がせていく。
「和也…雅紀のこと好きでもいいんだよ…?でも、俺とのことやめるなんていうから…」
プチンと最後のボタンを外す。
「お前が悪いんだよ?」
そういうと首筋に舌を這わせてくる。
「ごめん…なさい…潤…」
そのまま大人しく潤に抱かれた。
なんにも変わらず優しく抱いてくれた。
でも、寒い。
寒くてしょうがなかった…
俺の身体が熱くならないのに苛ついて、乱暴にされた。
でも…
雅紀、ごめん
もう無理かもしれない
きっとね、愛し過ぎたら壊れるんだ