• テキストサイズ

カラフルⅡ【気象系BL小説】

第1章 しあわせはここにある-parallel-


「俺…精一杯あなたを抱くよ」


そういって、俺は大野さんに覆いかぶさった。


「だから、あなたは俺に溺れて…全部忘れて?」


大野さんの目からまた涙が落ちた。


「忘れさせてあげるから…」


「無理しないで…俺を抱くなんて…」


俺は大野さんの髪を撫でながら、子供に言うように言葉を続ける。


「無理なんかしてないよ。俺があなたを抱きたいんだよ…そりゃ…ヘタクソかもしれないけど…」


「なんで…?」


「だからあなたのことが好きなんだよ。俺は」


まだ高校生だけど。


俺と対等で居てくれるあなたが。


なんでもできるくせに、決して驕らないあなたが。


そして、皆を愛してくれるあなたが。


「今だけでいいから…俺のこと、愛してくれない…?」


「ニノ…」


「やっと、名前呼んでくれたね…」


微笑みかけると、ますます泣いた。


「もう二宮くんなんて呼ばないで…」


そう言ってキスをした。


「名前で呼んで…」


「かず…」


「うん…」


「かず…?」


「うん…?」


「かず、なり…」


「うん」


ぎゅっと抱きしめた。


「愛してる…大野さん…」


そっと、首筋に舌を這わせた。
/ 1015ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp