第1章 しあわせはここにある-parallel-
「これからは…」
「え…」
「これからは…俺を感じてよ…」
「なに言って…」
「俺で感じてよ…」
そう言ってそっと大野さんを抱え上げた。
軽かった。
寝室へいくと、そっと大野さんを横たえた。
ぐっと顔が緊張した。
でも、ここで引いたらだめだと思った。
やりかたなんてわからないけど、前に進むしかないと思った。
大野さんを癒やすためなら、なんだってやる。
なんだってしてやる。
「アイツらは…こんなことしてくれた?」
そっと優しく大野さんの髪を撫でた。
力なく顔を横に振る。
そっと優しく唇を重ねた。
「こんな風に、キスした?」
また首を振った。
「なんで…こんなことするの…?」
大野さんが泣きながら俺に聞く。
「大野さんが好きだからだよ」
そういうとぎゅっと抱きしめた。
「嘘だ…嘘だ…」
「嘘じゃないよ…だって…」
大野さんの手を俺の股間に導いた。
「さっきイったばかりなのに…大野さんを抱きしめたら、こうなっちゃったよ…?」
大野さんの顔が赤くなった。
腕からまだ血が出ていたから、タオルをまた持ってきて、そこを縛った。
「後でちゃんとするから」
抑えられそうになかった。
もう俺は大野さんを抱くことしか考えてなかった。