第7章 虫襖-ムシアオ-
「や…だ…ごめんね…ごめんね…」
「雅紀っ…俺が好きならっ…そのまましろっ…」
「ニノぉ…好きだよぉ…」
ぽたぽた俺の背中に涙をこぼす。
「なんで…?なんで傷つけなきゃいけないの…?そんなことできない…」
「それでも…やるんだよ…」
雅紀をゆっくりと仰ぎ見る。
「俺のこと、愛してるならな」
「ニノ…」
「言うこと聞けよ…」
ぐりっと俺の中の雅紀が動き出した。
「あ…い…してる…」
囁く声がかすれる。
「あ…う…もっと…動けよ…」
「ニノ…」
「もっとっ、俺にっ…」
「んっ…ニノぉ…」
雅紀は俺の身体を抱え上げると、立ちあがって寝室へ行った。
俺をベッドに投げ出すと、ローションを手にとって、自分へ塗った。
そのまま俺の腰を掴むと、俺を穿った。
「ごめん…せめてこれだけさせて…」
いいながら、俺を見る目は男で。
いつもうっとりしながら俺を見上げる雅紀はどこにもいなくて。
限界まで俺を穿ち続けた。
俺が気を失うまで…
もうどんなセックスしたのかも覚えてないくらい、俺は真っ白になった。