第7章 虫襖-ムシアオ-
突然息苦しくなる。
ぎゅうっと首を締め付けられる。
「ぐっ…あ…」
目を開けると、雅紀が立っていた。
「ま…さ…」
「なんで翔ちゃんとシてたの…?」
「ぐ…あ、れは…」
「翔ちゃんが好きなの?」
「まさ…」
「俺じゃなくて、翔ちゃんを愛してるの!?」
ぐうっと締められる手に力を入れられて、何も言えなくなる。
口の端から唾液が垂れる。
「何で俺を愛してくれないの!?」
ちがう…
愛してるよ…
もがく手に力が入らなくなった。
顔が熱い。
目がチカチカしてきた。
殺せ。
お前に殺されるなら、本望だよ
ぱたんと手が落ちると、いきなり雅紀の手が緩んだ。
突然入ってきた酸素に、喉が詰まって咳込んだ。
「ぐっ…ごほっ…ごほっ…」
「ああああ…なんで…?なんでだよ…こんなに好きなのに…愛してるのに…」
「ま、さき…」
「翔ちゃんは抱いてくれるから好きなの?」
「雅紀、聞けよ…」
「じゃあ俺、今から抱くから…!」
雅紀の手が乱暴に俺の服を脱がした。
丸裸に剥かれると、いきなりソファの上で四つん這いにされた。
そのまま、雅紀は俺にねじ込んできた。