第1章 しあわせはここにある-parallel-
すぐに限界がくる。
気持ちよすぎて、死にそう。
「はぁっ…はぁっ…大野さ…も、離してっ…」
懇願しても、大野さんの動きは止まらず。
イってしまえとばかりに、その口に吸い上げられた。
「あああっ…もっだめえっ…」
大野さんの肩を掴んだ。
大野さんの眼が悲しそうに瞬いた。
俺はそれを見ながら、大野さんの口の中に果てた。
「はぁっ…おおのさん…なんで…?」
大野さんはごくんと飲み干すと、悲しげに俯いた。
「だから…こういうこと、平気でできる俺は汚いんだって…」
「汚くなんかないって…」
「この一年、こんなことばっかりやってたんだ…」
あの舌使いも…苦痛から逃れるため。
すぐにイかせられるように。
自分から進んで覚えた。
大野さんがポツリポツリとしゃべる。
「俺…感じたんだよ…」
「え?」
「アイツらに無理やりヤられてんのに…感じたの…おかしいでしょ…?こんなの…」
そういって、また涙を落とした。
「汚れたんだよ…俺…」
そう言って自らの身体を抱きしめた。
俺は身体を起こして、ぎゅっと大野さんを抱きしめた。
力の限り。精一杯。
だって、俺にはどう慰めていいかわからなかったから。