第7章 虫襖-ムシアオ-
「ニノ…昨日はお客さんだったの?」
「ん…まあね」
「ね…もうやめて…」
雅紀が俺の背中にすがりついて泣く。
部屋の灯りが、チカチカしてる。
蛍光灯、変えないとな…
「俺が、そのお客さんとるから…」
「だめだよ…俺じゃないとダメっていうんだから…」
「ニノっ…お願い…」
肩を掴む手をそっと手のひらで包む。
「ごめんね…雅紀…俺のせいで…」
「ちがうっ…ちがうっ…ニノのせいじゃないのにっ…」
「ごめん…もう、別れようか…」
「やだっ…」
雅紀が俺をラグの上に押し倒した。
涙がポタポタと顔に落ちてくる。
「どうして…そんなこというの…?」
ギリッと手首を握る手に力が入った。
「っ…雅紀」
「こんなに好きなのにっ…」
「…抱けよ…」
「…え…?」
「じゃあ、抱けよ…俺を…」
「ニノ…?」
「そんなに好きなら、俺のこと抱けよっ!」
思わず叫んでた。
「抱いて、俺のことめちゃくちゃにすればいいだろ!」
「ニノぉっ…やめてっ…」
「めちゃくちゃにしたら、俺はお前だけのモンになるんだよ!やれよ!雅紀!」
「やめてぇっ…」
お願い…
やって…?雅紀…