第7章 虫襖-ムシアオ-
慌てて上客に電話して、都合をつけて貰った。
おっさん達に組み敷かれながら、雅紀の身体を思った。
あの靭やかな身体が抱けると思ったら、乗り越えられると思った。
「和也…いつもより感じてるんじゃないか…」
おっさんたちはいつにも増してしつこくて…
いつもよりも、俺の感度がいいことを悦んだ。
そうやってどうにか作り上げた金。
でもまだ足りなかった。
俺は追い詰められていた。
テレビ局のリハーサル室で、先輩に声を掛けられたのはそんな時だ。
物陰に連れていかれて、腕を取られた。
「な。二宮。お前、ウリやってんだってな」
ニヤニヤ笑いながら俺を壁に押し付ける。
「それがなんだよ。アンタみたいなヤツに買えないよ?俺は高いから」
ちっと舌打ちした。
「てめえは、かわいげってもんがないよな…」
「だからなんだよ。言いたきゃ言えよ。事務所にいらんなくなるのは、アンタだからな」
「ふん…勝手にしろよ…」
その時、雅紀の肢体が浮かんだ。
汚したい
「ね…俺じゃなきゃだめ?」
「は?」
「抱いてみたいんでしょ?」
「あ…ヤラせてくれんの…?」
「相葉ならいいよ」