第1章 しあわせはここにある-parallel-
ふと大野さんの顔をみたら、血が顔を伝っていた。
焦って顔を覆っていた腕を取ると、腕を噛んでいた。
腕から血が出ている。
慌ててタオルを取りに行って、腕に当てる。
「なんで…なんでこんなこと…」
「…感じちゃ…だめだから…」
「…え?」
「気持ちよくなっちゃ…だめだから…」
「なんで…よ…」
「俺は汚い…」
「汚くないって言ってるだろ!?」
思わず大きな声を出した。
大野さんは口の端を上げて笑った。
まるで自嘲してるような笑み。
そのまま起き上がって、俺のズボンのベルトを外した。
「ちょっと…なにやってんの…早く腕の怪我…」
そう言っていたら、押し倒されてズボンを下着ごと脱がされた。
「大野さん!?」
脱がされたと思ったら咥えられた。
「ああっ…大野さんっ…だめっ」
そういう俺に構わず、大野さんの舌は蠢いて。
俺のモノにねっとりと舌が絡みついて。
それは、子供の俺がまだ体験したことのないような快感で。
大野さんの頭が、俺の股間で上下している。
それだけでもイってしまいそうなのに、さらにその口は俺を愛撫していて。
「あっ…ああっ…おお、のさ…ヤバイ…」
大野さんが俺の顔をみる。
先ほどとは違って、余裕たっぷりの顔で俺をみている。
俺を咥えているのに、笑ってるようにすら見えた。