第7章 虫襖-ムシアオ-
「お前っ…そんな話、乗ってねえだろうな!?」
「ちょっ…ニノっ…」
慌てて押さえつけられた。
「落ち着けよ…ここマック…」
「あ…」
でも注目を浴びてしまって。
回りの学生は、俺達が嵐だって気づき始めて。
慌てて写真を仕舞って、店を出た。
「お前のマンション、行っていい…?」
雅紀が言うから、仕方なく連れて行った。
生活感なんて全く無く。
ただ、寝室だけは金掛けてた。
おっさんたちが過ごしやすいように。
リビングには申し訳程度の家具があって、そこに雅紀を座らせた。
「…ほんとに、こんなとこに住んでるの…?」
「ああ。悪い?金がねぇんだ」
「…なんで…?」
雅紀がじっと俺を見てくる。
「こんなことやってるのと、なんか関係あんの?」
「…別に…おまえにゃ関係ねえよ」
「あるだろ!バカ!」
立ち上がると、俺の手首を掴んだ。
「俺はおまえがっ…」
手を振りほどいた。
それ以上、聞きたくなかった。
「黙れ…」
「え…?」
「それ以上言ったら、ぶっ殺すぞ…」
「ニノ…」
「おまえまで俺のこと、そんな風に見てたのかよ…俺のこと、ヤリたいわけ…?」
「違うっ…そんなこと考えてなっ…」