第7章 虫襖-ムシアオ-
そんな言葉を無視して、俺は制服を脱ぎ捨てた。
素っ裸になったら、寝室へ雅紀を引っ張っていく。
「ちょっと…ニノっ…」
「一回ヤラせてやっから、黙ってろ」
「え…?」
「好きなんだろ?俺が。だったら、一回ヤラせてやっから」
「ちょっと…」
「金が要るんだよ…」
「え…?」
「だから…黙ってろよ…」
ベッドに横になって、足を開いた。
雅紀は立ち尽くして動かない。
「どうしたの?ヤんないの?」
「ニノ…」
そっと俺に布団を掛けた。
「なんで…そんな金が要るの…?」
「関係ないだろ…お前には…」
「だから…あるだろ…」
どさっとベッドに腰掛けて、俺に背中を向ける。
「わかってるだろ…お前…」
そう言って、顔に手を当てた。
背中が震えてる。
泣いてるんだ…
「なんでお前が泣くんだよ…」
「だって…ニノっ…」
「泣きたいのはこっちだっつーの…」
素っ裸で…
抱かれると思って、俺の中心は期待してた。
こんなまま、泣かれて。
どうしてくれんだよ。
抱けよ。
バカやろ…
そっと背中に手を伸ばした。
振り返る雅紀を抱きしめて、押し倒した。