第7章 虫襖-ムシアオ-
雅紀に声が聞こえるわけじゃないのに、口に手を当ててじっと見守った。
雅紀は暫くじっと下を向いていた。
そのままモニターの画面が切れるまで、じっとそこに佇んでた。
「嘘だろ…なんで…」
慌てて俺はカバンを掴むと、部屋を飛び出した。
裏口から飛び出すと、雅紀が立ってた。
「え…」
「やっぱり…ね。説明して?」
制服姿の雅紀に腕を掴まれて、近くのマックに連れていかれた。
サラリーマンや学生でざわついてる店内で、俺たちはただ黙っていた。
「ニノ…」
「いいだろ…?一人暮らしくらい…」
「そうじゃないだろ…お前…」
ぎくっとした。
雅紀は知ってる…
俺がウリやってること。
「なんのことだよ…」
「ずっと…お前のことつけてたんだ…」
汗が滲んでくるのがわかった。
おっさんたちとは、外では会ってない。
だから、誤魔化すことなんていくらでもできる。
少し、安心した。
ふと、雅紀がカバンを探った。
一枚の写真を出す。
そこには、裸の俺が横たわるのが写ってた。
「な…んで…?」
「貰ったんだ…ある人に。二宮がこんなことやってるんだから、お前もどうかって、ね」
「そんな…」