第1章 しあわせはここにある-parallel-
二宮side
大野さんの口から、吐息が漏れた。
それだけで俺の身体は飛び上がりそうなくらい熱くなった。
上着を脱ぎ捨てて、Tシャツも脱いだ。
遠くに放り投げると、大野さんの上も全部脱がした。
そのままぎゅっと抱きしめた。
大野さんの肌が熱い。
手をはわせると、手触りのいい皮膚がもっと熱を帯びた。
「大野さん…きれいだよ…」
何度もそうつぶやくと、大野さんの目から涙がこぼれ落ちた。
俺はその涙を唇ですくい取った。
「きれい…大野さんきれいだよ…」
そういって、胸板にキスをした。
身体がビクンと跳ね上がった。
たくさんキスをしたら、ビクビクと身体が震えた。
俺が震えさせているのが嬉しくて、もっとキスをした。
体中キスをした。
大野さんが腕で顔を覆った。
泣いている。
俺はそのままキスを続けた。
もう、忘れてよ。
忘れて、俺だけ見てよ。
俺達のこと、見てよ。
アイツらのことじゃなくて、俺達のこと、考えてよ。
大野さんのズボンのベルトに手をかけた。
身体が強ばった。
構わずベルトを外した。
カチャカチャという音が室内に響いた。
嗚咽は止らない。