第6章 きみどりscene3
身体を拭くと、かずが服の乱れを直す。
その姿を後ろに、鏡に向かっていた。
鏡越しにしか、かずを見ることができなかった。
「…ごめん…」
「理由、言ってよ…」
床に座り込んだまま、こちらをみることもしないで俯いてる。
「愛してるなら、言ってよ…」
和也が両手で顔を覆った。
「俺がなにかしたんなら、言って?お願い…」
「ちがう…かずは何もしてない…」
「じゃあ、なんで…?」
「いえない…」
言ったら、絶対に嫌われる…
こんなどろどろした気持ちになってるなんて知られたくない…
「智っ…」
かずがこっちを見た。
「俺は、そんなに信用されてないの?俺は、智のなんなの?」
こちらに向かって歩いてくると、後ろから俺を抱きしめた。
「こんなに激しく愛してくれてるのに、なんで俺に言えないの?言って?」
「かず…」
イスに座る俺を、無理やりかずのほうに向かせると、しゃがんで目線を合わせた。
「なにをそんなに怒ってるの?」
「…嫉妬、した」
「え?」
俯いて、やっと言葉を紡ぐ。
「潤や翔ちゃん、相葉ちゃんにも…皆に嫉妬した…」
ぎゅっと拳を握りしめた。
「俺のかずに触ったから…」
「さと…」