第6章 きみどりscene3
きゅうっと胸を締め付けられた。
初めて泣かせた。
ぎゅっと拳を握りしめて、心を鎮める。
かずの肩を抱くと、楽屋まで引きずるようにして連れて行く。
扉を開けて、中にかずをひきずりこむと、後ろ手に鍵を締めた。
「智っ…」
かずが抱きついてくるのを受け止めて、ぎゅうっと抱きしめる。
そのまま床に押し倒して、かずの唇を貪った。
「はぁっ…さと…どうして…?」
それには答えないで、衣装の下の素肌に触れる。
びくりと身体が震えたかと思うと、かずの手が俺を押しとどめる。
「だ、めっ…」
そうは言っても、もう止められなくて。
ズボンをずり下げると、かずを口に含んだ。
「ああっ…さとっ…なんでっ?」
かずを口に含んだまま見上げると、また涙が零れた。
ごめん…
こんなの俺のわがままだ…
性急に愛撫を加えて、かずを立ち上がらせた。
口を外し、手で握りこみながら、俺は自分のズボンを下げた。
かずの口元に持って行くと、指で唇に触れた。
「お願い…」
そういうと、かずは口をうっすらと開いた。
そのまま顔を傾けると、静かに俺を口内に含んだ。
身体が、震えた。