第6章 きみどりscene3
和也のバカ…
なんだよ…俺の気も知らないで。
あんなに松潤と楽しそうにして。
翔ちゃんにほっぺ触らせて。
相葉ちゃんとキスでもしそうなくらい近づいて。
なんであんな簡単に身体、触らせるんだよ…
俺だけが触っていいのに。
俺だけのかずなのに。
イライラする…
今までだって、こんなこと日常にあったのに。
なんで今日はこんなにイライラするんだろう。
「大野さん!」
かずが、外での呼び方で追いかけてくる。
「待って!大野さん!」
止まってやるもんか。
俺はひたすら楽屋への廊下を歩いた。
かずが追いついてくる。
衣装の裾を引っ張る。
「待って!ねえ!」
「なんだよ…」
「なんで怒ってるの?」
泣きそうな声。
わかってる…
俺の怒りは、きっと理不尽。
だけど、どうにもならない。
だからこんなこと、言えないだろ…
「なんでもない…」
そういうと、また歩き出した。
「なんでもなくないでしょ!?」
和也が俺の肩を掴む。
無理やりみてしまった顔には、一筋の涙が光ってた。