第5章 レイヴンscene2
手で翔の皮膚の感触を楽しみながら、中の感触を味わう。
ゆっくりと動きながら、俺の頭の中はだんだん、翔という深海に溺れていった。
暖かい海面がどんどん遠ざかっていく。
静謐な深海の闇に飲み込まれていく。
「あっ…」
突然、翔の意識が戻った。
「あ…雅紀…」
翔の手が、俺を求めて宙をさまよう。
「翔、俺はここにいるよ…翔の中にいるよ…」
「雅紀…、手…」
「ああ…」
俺は翔の身体を抱え上げると、ソファの背もたれに翔の上半身を預けさせた。
背もたれに載せられた手の上に、自分のそれを重ねた。
「ほら…翔の感じてる顔、鏡に映ってるよ…?」
「あっ…やだぁっ…」
翔は身じろぎして逃げようとするが、手も腰も押さえられてて動けない。
「目、あけて…?」
「いやっ…」
ソファの背後の壁一面は鏡張りになっていて。
そこにはセックスしてる俺達が映ってて。
そんな俺達の姿を、俺はゾクゾクしながら眺めてた。
翔の顔が快感に歪む。
「う…やめ…てぇ…」
「忘れたいんだろ…?溺れろよ…」
そう言うと、一層キツく腰を突き上げた。
「ああああっ…雅紀っ…だめっ…」
「イケよっ…ぎゅうぎゅうに締めてるよ?イキたいんだろ?」
「やだぁあっ…一緒にっ…」
「ダメ…翔がイクとこがみたい」
「雅紀っ…いじわるしないでっ…」
俺はまた無言で大きく腰を打ち付ける。
「ああっ…雅紀っ…」
翔が小さく叫ぶと、先端から白濁がこぼれ落ちた。