第5章 レイヴンscene2
「雅紀ー!起きて!」
潤が珍しく俺より早く起きてる。
「もー、早く起きて?」
シーツを引っ剥がすと、俺の顔を覗き込んできた。
「早く!ご飯さめちゃうよ!」
「んー…」
昨夜は翔との月一回の逢瀬だった。
もちろん潤には仕事だと言って家を出た。
昨日は午後から、深夜までずーっと翔を貪った。
だから家に帰って来た頃には、もう半分寝てて。
そのまま服も着替えないでベッドに倒れ込むようにして寝てしまった。
シャワー、してきてよかった…
目を擦って起き上がると、気怠い身体をなんとか励ましてダイニングテーブルにつく。
潤の淹れる美味しいコーヒーを一番最初に飲むのが、日課になってる。
「あぁ…潤、今日も美味しいよ」
潤の顔を見ながら言うと、潤は頬を染めて目を逸らす。
こいつにはこういうところがあって、今だに何かの拍子にこうやって恥じらいを見せる。
「ねぇ…?潤。朝食の後、潤のこと食べたいな」
「えっ…」
「だめ?」
「だって…雅紀、疲れてるだろ?」
「大丈夫。潤が抱っこして寝てくれたから、元気になった」
「も、もう!バカっ」
キッチンミトンをなげられた。