第1章 しあわせはここにある-parallel-
相葉さんが駆け寄る。
「俺は?俺のことわかる?」
「相葉ちゃん…どうしたの?」
「どうして…リーダー…」
相葉さんが泣きだした。
大野さんの膝に突っ伏した。
「どうしたの?相葉ちゃん…?」
大野さんが俺と翔さんの顔を交互にみて困った顔をした。
「どうしたの?この子達…」
でもその手は、二人の肩を包んでいた。
「大丈夫だよ。心配いらないから…」
こんなときまで、俺達を守ろうとする。
堪らなくなった。
「大野さんっ…現実を見てよっ…」
「ニノ!やめろ!」
翔さんに止められる。
でももう、止まらなかった。
「あんたの身に起こったこと、ここにいる全員が見てるんだ!」
大野さんの顔が歪んだ。
「なに…?なんのこと?ニノ…」
「その上で、あんたと一緒にやっていきたいって、仕事、一緒にしたいって思ってんだ…!」
大野さんの目が、また生気を失っていく。
「あんたがそのままだったら、帰ってこれないだろ!?俺たち、あんたの居場所作って待ってるんだぞ!?」
翔さんの腕を振り払った。
大野さんの顔を掴んだ。
「俺達、みんな、あんたがどんなことされたって、あんたが好きなんだよ…!」
大野さんが俺を見た。
目に、涙が溜まった。