第4章 灰紫
「あっ…智っ…見るなっ…見ないでぇっ…」
「智が見てたほうが興奮するんでしょ…?」
顎を掴んだまま、強引に舌を割り込ませた。
「うっ…んんーっ…」
翔の目の端から、また涙がこぼれ落ちた。
「やめろよ…」
「ホラ、イって?翔くん…」
顎を持っていた手を外すと、翔のアソコを握りこんだ。
「んんんっ…やだぁっ…やだっ潤やめろっ…」
そう言って身体を仰け反らせたかと思うと、そのまま翔は俺の手の中で果てた。
ぎゅううっと締め付けられた俺も、そのまま一緒に果ててしまった。
そのまま翔は意識を飛ばした。
ぐったりと横たわる翔から出て、俺は立ちあがった。
そのまま智の方へ歩み寄る。
近づいたら、智は泣いてた。
そのまま頬を叩かれた。
「最低…潤…」
俺はふっと笑うと、そのまま横を通り過ぎた。
「プライドが粉々になった翔、あげるよ…リーダー」
そう呟いたら、驚いた顔をして俺に振り返った。
そう。
全部あなたのためだったんだよ。
智…
でも、これからはリーダーと呼ぶね。
「けじめ、つけさせてくれてありがとう…」
そのままバスルームに入った。
棚が倒れていた。
必死になって出たんだなと、棚を直しながら思った。
浴室に入ると、熱いシャワーを浴びた。
全て、忘れられると思えた。
さようなら。
智。