第4章 灰紫
翔の身体がしなる。
逃げようとしてもがく。
腰を引きつけて、ぐいっと俺のほうに引き寄せる。
「やめろっ…やめろぉぉ」
やだ…
やめない…
「んんっ…はっ…はぁっ…」
なんとか痛みを逃がそうとして、短い呼吸を続ける。
「痛いでしょ?俺、この何倍も痛かったからね…?」
「だからっ…ごめん…」
無言で、また貫く。
「ローションもなんにもつけないで、いきなりだったからね…酷いよね…翔…」
「ごめん…それは謝るから…」
「でも、智には違ったんだよね…?」
また穿つと、呻く。
「う…も、やめろ…」
「智には俺で学習したから、優しくしたんだよね?」
「やめろっ…智のこと、お前には関係ないっ…!」
「あるよ…バカだな…自分で巻き込んでおいてさ…」
「やめろっ…お前が智のことどう思ってるか、想像するだけで殺したくなるっ…」
「じゃあ、殺せばいいよ…」
そのまま、腰を振り続けた。
翔はそのまま俺のなすがまま。
暗い快感が俺を貫いた。
ゾクゾクする…
もっと、もっと…
そのプライド、へし折ってやる。