第4章 灰紫
眠ってる翔くんの顔を上から見下ろした。
少し苦悶の表情を浮かべてる。
暗い欲望が俺の中に沸き起こった。
俺は浴室へ行くと、ドアの前に棚をそっと置いた。
これで智は出てこれない。
暫く、そのままで居てね…?
シャワーの流れる音に変化はなかったから、気づいていないようだ。
そのまますぐに寝室へ引き返す。
床に落ちてたロープを拾い上げる。
翔くんを引き起こすと、そのロープで身体をぐるぐると縛った。
そのまま横たえると、身体に跨った。
思いっきり翔くんの横っ面をひっぱたいた。
「っ……」
翔くんが驚いて目を覚ました。
「痛ってー……」
まだ目の焦点が合っていない。
頭を振るように動かすと、やっと俺に目を向けた。
「あ……え…?潤…?」
頬が真っ赤に腫れ上がってきた。
「なに…?どうした…?」
朦朧としながら、現実を探して翔くんは戸惑ってる。
「翔くん…おしおきだよ…?」
「え…?何言ってんだよ…」
少し笑いながら言うから、また俺は頬を張った。
「っ……なにすんだよっ…!」
「あんたがいけないんだろ…」