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カラフルⅡ【気象系BL小説】

第4章 灰紫


いつの間にか、ロープが解けてた。


智くんは起き上がると、枕の下から何かを取り出した。


潤を乗り越えて、俺に向かってその何かを差し出して首筋に当てた。


ビリッとした衝撃が俺の脳髄を走っていった。


全てがスローモーションに見えた。


視界がブラックアウトした瞬間、俺は気づいた。


スタンガンだった。







翔ちゃんが後ろに倒れこむ。


潤が起き上がって、それを抱きとめた。


ぎゅうっと引き寄せると、俺と目を合わせた。


「ごめん…智…」


「ううん…ごめんね。すぐ、後ろ洗おう?」


「うん…シャワー借りるね」


「…行っておいで…」


翔ちゃんを俺に渡すと、潤はふらふらしながら風呂へ行った。


俺はぎゅっと翔ちゃんを抱きしめた。


「なんで…翔ちゃん…こんなことするの…」


わかってる。


不安でしょうがないんだよね…


なにがそんなに不安なの…?


俺、そんなに翔ちゃんを不安にさせてる…?


俺の何がいけないの…?


翔ちゃん…こんなに好きなのに…


顔を見てたら涙がまた、出てきた。


翔ちゃんの顔に、水がぽたぽた落ちる。


たくさん泣いたら、まるで翔ちゃんが泣いてるみたいになった。


それでも、俺の涙は止まらなかった。
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