第4章 灰紫
ぐったりとガラスに凭れた身体を引き起こす。
ずるっと智くんの中から出ると、俺の出した白濁が智くんの腿を伝う。
抱き上げて、風呂へ行く。
智くんは完全に意識を飛ばした。
目を閉じて、俺に全てを委ねてる。
なんでこんなに…
求めてしまうんだろう。
俺の傍にいてくれるのに…
俺のこと、好きだって言ってくれるのに…
身体を開いてくれてるのに…
足りない…足りないんだ…
「ごめんね…智くん…」
ぎゅっと抱きしめて、まぶたにキスを落とす。
こうならないと、本当に優しくできない。
俺の心を呪う。
湯船に智くんを抱えながら浸かる。
ふわっと身体が浮いていく。
引き寄せながら、俺は腕を離せなくなる。
好きだ…
こんなに好きなのに。
なんで傷つけてしまうんだろう。
「ん…翔ちゃ…」
「あ…智くん…大丈夫…?」
「うん…へいき…」
くるっとこちらを向くと、首にかじりつくように抱きついてくる。
「翔ちゃん…怖かった…」
「ごめんね…智くん…ごめん…」
ぎゅっと抱きしめると、わずかに智くんの身体が震えているのがわかった。