第3章 萌葱-moegi-
さっとブロッコリーを湯がいて、バターロールを焼いて。
玉子焼きが載ったお皿を持って。
お盆に全部を載せてリビングに行った。
コーヒーとオレンジジュースも忘れずに持っていく。
ふとソファを見ると、智がいない。
「あれ?智?」
覗きこんだら、身体を丸めて寝ていた。
「もう…」
テーブルにご飯を並べて、揺り起こした。
油断するとすぐ寝るんだから…
「起きて…智…ごはん。できたよ?」
「ん~にゅ…?」
「もう…起きてよ?」
「にゃ…」
わざと起きない。
「襲うぞ…?」
飛び起きた。
俺と目が合うと、笑い出した。
「も、もう今日は無理だぁ…」
「だろうね…俺も無理…」
「腰、限界…ぶぶっ…」
「そりゃ、こっちのセリフだよ…ぶぶっ…」
ひとしきり笑い合ったら、ちゅっとキスがきた。
「ありがと。雅紀。食べよ?」
「う、うん…」
今更、恥ずかしくなってきた…
好きって伝えたその日に…
俺たち…
「はい、あーん」
「えっ?へっ?」
智がフォークにブロッコリーを刺して俺の口元に持ってきてる。