第20章 グレイ scene2
ケツが半分落ちている。
俺はマグカップを置くと、かずの身体に腕を回して引き寄せた。
「ん?」
カワイイ顔して、俺のこと覗き込んでくるから、今度は俺からキスしてやった。
「ふふ…」
「なんだよ」
「しあわせだよ」
「え?」
「俺、すっごい幸せ…」
「うん…」
ぎゅうっとかずを抱き寄せたら、胸の中に詰まってるぽあぽあが口から出そうなくらいできた。
「幸せだな…かず…」
「うん…」
こつん、と頭をつけてくれた。
暫くそうやって二人でくっついていた。
胸の中のぽあぽあは、全身に広がっていったようだった。
身体がぽかぽかしてる。
冷えたコーヒーを飲み終えたら、いよいよすることがなくなった。
リビングの籐の揺り椅子に二人で座りながら、どうしようか考えた。
かずは手にゲーム機。
俺はスマホで釣り情報を見ながら、考えてた。
「あんたそれ見てたら気が散るんじゃないの?」
「かずのゲームと一緒だから、ほっといてくれ」
でも一向に今日をどうすごすか、いい案なんて出てこなくて。
「もー…寝ちゃおうかな…」
「ゴロゴロする?」
「それもいいんじゃない?」
「そうだね…これからツアーも始まるし…今日は、本当のおやすみにする?」